こんにちは。米粉シフォンケーキ専門店を開業すべく奮闘中の主婦ゆーりんです。
インターネットでの独学のみではなくきちんと勉強したくなったので、「米粉マイスター講座」を受講しに行ってきました。
たくさんあった学びの中から、特に「ためになった!」と感じたことを共有させていただきます。
米粉のことを深く知る
でんぷんのこと
米粉と小麦粉との違いは「グルテンがないこと」というのはご存知の方が多いと思います。グルテンは空気を閉じ込め、お菓子やパンを作るときには膨らみの役割を担います。ではグルテンのない米粉は膨らまないのでしょうか。
米粉で作ったパンやパウンドケーキも、ある程度の膨らみを保つことができます。その骨格になるのはグルテンではなく「でんぷん」です。
米粉マイスター講座では、米粉を構成するでんぷんについて、分子レベルで詳しく説明を受けてきました。もはや中学か高校の化学の授業!20年以上前の記憶を遡りつつ必死に食らいついて聞いてきました。
- でんぷんは2種類(アミラーゼ、アミロペクチン)あり、それぞれが網目の構造を作り、空気を抱え込むことができる
- 空気を保つ網をつくる(つまり膨らみを保つ)ためには熱(70℃以上)が必要で、アミラーゼがこの網を作った状態を「糊化した」と表現する
- きちんと熱を加えて糊化させないと、アミラーゼが網を作れないため気泡が保てず、膨らまなくなる
- 熱を加えすぎると今度はでんぷんが崩壊してアミロペクチンが流出、アミロペクチンも網を作ることはできるがアミラーゼのように骨格を保てず、熱を加え続けると凹んでしまう
米粉が膨らみを保つためには熱と、それによるアミラーゼの網が重要です。今米粉がどの状態にあるのか?を判断しながらお菓子やパンを作っていくことが必要と学びました。
米粉の質の見極め方
米粉は今はスーパーでもドラッグストアでも気軽に手に入りますが、原料となる米の種類や米粉の製法によってメーカーごと・種類ごとに違いが大きいことが特徴です。米粉を選ぶときに注意が必要なのは
- でんぷん粒の粒度(粒の荒さ)
- でんぷん粒の損傷度
この二つです。
粒度に関しては、講座の中でいろいろな種類の米粉を指で触って違いを比べました。
意識しながら触ってみると、粒子の荒さの違いがよくわかります。写真上の方の上新粉が一番つぶつぶ感があり、写真下の方の二つは粒が小さくさらささしていました。
粒子が細かいほうが吸水が早く、荒いほうが吸水が遅い傾向にありますが、でんぷんの損傷が少なければ最終的に吸収する水の量は同じになるそう。今回の研修では水に溶かしてみたときの感じも比較しました。お菓子やパンを作るときに同じ粒度の米粉で作っていないと米粉によって水に溶けた時の感じが違うので、水を増やしたり減らしたりの手間が生じてしまいますね。仕上がりにもばらつきが出そうです。
損傷度に関しては、とくに米粉以外の材料がシンプルな米粉パンでは特に注意が必要です。粒度は粗くても細かくても、最終的に吸収する水分量は同じですが、損傷が大きい米粉はでんぷん粒の中に水が入りこむため、損傷が少ない米粉よりも水を吸収してしまいます。そのときに「あ、生地が硬いな」とうっかり水を足してしまうと水分過多で膨らまないというトラブルにつながります。
損傷度の違いでパウンドケーキの焼き上がりの高さがかなり違いました。でんぷんの損傷が強いと空気を抱き込み骨子を作る役割のアミロースが少なく、骨子を作れないアミロペクチンで空気を抱き込むため、焼成後に空気が逃げてしまって焼き上がりの高さが低くなります。
食べた感じはどちらもさほど大きく変わらないかな〜という感じでしたが、どうせならふんわりと大きく焼きたいですよね。
損傷度の調べ方
粒度や損傷度は、米粉を買ったときに袋に書いてあるわけではないので、自分で確かめる方法を持っていることが米粉を扱う上での失敗を少なくします。
粒度は触ってみればわかります。損傷度は、「米粉と同じ量の水で解いたときにどういう状態になるか?」で判断します。
1枚目の写真の、下から2番目米粉を溶かした液体のように、とろっとしているのが損傷率が低いものです。ボソボソしたりしている米粉は損傷度が高く、より水分を吸収してしまっています。
新しく封を開けた米粉は粒度と損傷度をチェックして、「いつも使っている米粉と比較してどうか?」を常に見ていかないといけませんね。
以上、米粉についての重要ポイントでした!
少し長くなってしまうので、次の記事で続きを書いていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。